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絶版希少図録本・写真解説本 出土銭貨 松村恵司 編 日本の美術

2009年 発行 至文堂 監修 独立行政法人国立文化財機構・東京国立博物館・京都国立博物館・奈良国立博物館・九州国立博物館 東京文化財研究所・奈良文化財研究所 松村恵司 編 98ページ 約22.5ｘ18ｘ0.7cm カラー（口絵写真）モノクロ

※絶版

現在では我々の生活に欠かせない存在となった貨幣であるが、 歴史上その定着までには多くの紆余曲折を要した。 古代日本に貨幣経済が芽生える初元期の鋳造貨幣が、すなわち銭貨である。 その導入・定着の過程を、 出土銭貨―全国の遺跡から発掘される大量の銭貨群―に焦点を当て て探ると、古代人の銭貨観、政治や祭祀との深い関わりが見えてくる。 古代国家はどのような意図で銭貨を発行し、それらはなぜ大量に埋められたか。 考古学の見地に拠ってはじめて明らかとなる 古代貨幣の本質を、多数の遺物写真を参照しつつ論述する。

【日本の美術シリーズ】 「美術館や博物館は、「もの」を通して、そのものの歴史的な意味や特質、あるいはその美しさをひろく一般に理解させ、感じさせる場所である。それ故、博物館の専門家は「もの」をみる眼とそれを知らせる力を具えることを建前とする」（日本の美術「監修のことば」より 1966年東京国立博物館館長・浅野長武） 「日本の美術」は昭和41年に株式会社至文堂より、日本美術に関わるあらゆる事柄を各号１テーマで特集する雑誌として、当時の三国立博物館の監修の下に創刊。(その後、文化庁協力、独立行政法人国立文化財機構が監修)。 創刊から43年間は株式会社至文堂から、その後2年半は株式会社ぎょうせいから刊行され、 半世紀近くにわたり愛読されてきました。 本書は、各号がちょうどひとつの展覧会であるように、ひとつのテーマに関する図版を多く集め、その歴史的・文化的背景を含めた深い理解を、研究者のみならずひろく一般に供する場となっていました。
有史以前からの、日本の美術の全容という茫漠たる領野を、 各号それぞれの切り口で照らし出そうという試みで全545号刊行。 一つのテーマを深く掘り下げ、その道の研究家、専門家、刊行当時の最高峰の執筆者が手掛けたテキスト、写真解説。 カラー口絵写真に始まり、本文はモノクロですが写真図版は数多く、 国立博物館・文化財研究所が総力を結集して「日本の美」を追求、 古代から現代に至るまでの日本における文化・芸術の深さを探ります。 解説や論考も深い内容ばかりで、小ぶりながら情報満載・内容充実の研究書となる絶版図録本。

【目次】より はじめに 地金貨幣―無文銀銭 最古の鋳造貨幣―富本銭 新たな富本銭の発見 和同開珎の発行 平城京の鋳銭工房／和同開珎の母銭 恵美押勝の三貨 新銭萬年通寳（新銭萬年通宝）／金銭開基勝寳（金銭開基勝宝）／幻の銀銭―大平元寳（大平元宝）／謎の賈行銀銭 当十銭の改鋳―神功開寳（神功開宝） 出土銭貨の諸相 祓えの銭貨／井戸に投じた銭貨／出産と銭貨―胎盤の埋納／墓に供えた銭貨／地鎮めの銭貨／国堺の流路に投じた銭貨
参考文献 図版目録 特別寄稿 中世の出土銭貨―埋められた銭の正体 永井久美男 監修：独立行政法人国立文化財機構 東京国立博物館／京都国立博物館／奈良国立博物館／九州国立博物館／奈良文化財研究所 東京文化財研究所／奈良文化財研究所 執筆・編集:松村恵司（まつむらけいじ） 制作担当：中村昇司

【図版目録】より一部紹介 国宝・重要文化財を含む 表紙 古代都城の出土銭貨（奈良・平城京跡など）奈良文化財研究所 表紙裏 銭貨を納めた土器（奈良・平城京跡） 崇福寺塔心礎納置品 滋貿・近江神宮 崇福寺塔跡出土無文銀銭 滋賀・近江神宮 各地出土の無文銀銭 富本銭と鋳棹（奈良・飛鳥池遺跡） 富本銭（奈良・飛鳥池遺跡） 中国の銭貨と日本の初期貨幣 富本銭鋳造時の一括遺物（奈良・飛鳥池遺跡） 富本銭の鋳型（奈良・飛鳥池遺跡） 富本銭の細部の加工痕跡（奈良・飛鳥池遺跡） 藤原宮大極殿院南門の発掘調査区（奈良・藤原宮跡） 地鎮具の出土状態（奈良・藤原宮跡） 地鎮具に使用された須恵器平瓶（奈良・藤原宮跡） 平瓶の口緑部に詰められた銭貨（奈良・藤原宮跡） 平瓶から取り出された富本銭と水晶（奈艮・藤原宮跡） 平瓶の口縁から取り出された富本銭（奈良・藤原宮跡） 地鎮具に用いられた富本銭（奈良・藤原宮跡） 飛鳥池遺跡と藤原宮出土富本銭の字体の違い 富本銭を出土した信濃の古墳（長野・武陵地１号古墳）高森町教育委員会 信濃出土の富本銭 武陵地１号古墳出土銭 高森町教育委貝会 座光寺地区出土銭飯田市美術博物館 小治田朝臣安万侶墓出土品 東京国立博物館 小治田朝臣安万侶の墓誌 東京国立博物館 小治田朝臣安万侶墓出土の和同銀銭 奈良県高山火葬墓の完掘状況 香芝市教育委員会 高山火葬墓の銭貨出土状態 高山火葬墓出土和同開珎 坂田寺仏堂須弥壇の鎮壇具出土状況（奈良・坂田寺跡） 坂田寺仏堂須弥壇鎮壇具（奈良・坂田寺跡） 明治時代に出土した興福寺中金堂鎮壇具（奈良・興福寺）東京国立博物館 平成十三年出土の興福寺中金堂鎮壇具（奈良・興福寺） 和同開珎の母銭（奈良・平城京跡） 平城京出土の和同開珎の鋳型と鋳棹（奈良・平城京跡） 伝長門鋳銭司跡出土の和同開珎鋳型 日本銀行金融研究所貨幣博物館 和同開珎のメガネ銭（奈良・平城京跡） 平城京出土神功開寳の鋳造関係遺物（奈良・平城京跡） 神功開宝のバリ銭と鋳型（奈良・平城京跡） 和同開珎の枝銭（大阪・細工谷遺跡） 和同開珎の鋳棹とバリ銭（奈良・平城宮跡） 復原された富本銭の枝銭 平城京から出土した開基勝贊と賈行銀銭 開基勝宝 東京国立博物館 賈行銀銭 東京国立博物館 伝田谷寺跡出土銭 調査風景 伝田谷寺跡出土銭大甕に納められた緡銭 伝田谷寺跡出土銭伴出した木札の表裏 緡銭が描かれた中世の絵巻（「山王霊験記絵巻」） 小和田館跡遺跡Ｄ地区第３地点出土銭 （古瀬戸灰釉四耳壷に納められた緡銭の出土状況） 小和田館跡遺跡Ｄ地区第３地点出土銭（完全な貫緡） 西条岩船遺跡群平成元年出土銭 木箱の出土状況 西条岩船遺跡群平成元年出土銭 木箱内百文緡 西条岩船遺跡群平成７年出土銭 大甕に納められた緡銭小重遺跡出土銭 上面の状況 小重遺跡出土銭 中程の状況 小重遺跡出土銭下部の状況 石在町出土銭（永樂通宝の本銭と模鋳銭） 西宮市教育委貝命 銭貨の部位の名称 青木昆陽「国家金銀銭譜統集」にみえる 無文銀銭 無文銀銭・富本銭・和同銀銭の出土分布 半裁された無文銀銭（奈良・川原寺塔跡） 川原寺塔跡の無文銀銭出土状態 川原寺塔跡の無文銀銭出土位置 古代の重さの単位 無文銀銭の径と重量分布 周囲を削り取られた無文銀銭（藤原京左京六条三坊） 飛鳥の主要遺跡 平城京の富本銭（平城京右京八条一坊十四坪） 富本銭を出土した平城京の井戸（平城京右京八条一坊十四坪） 古銭書にみえる富本銭と平城京の富本銭 開元通宝と富本銭 飛鳥池遺跡の発掘調査風景 鋳造に失敗した富本銭（飛鳥池遺跡） 富本銭と鋳棹（飛鳥池遺跡） 富本銭鋳造用の坩堝と羽口（飛鳥池遺跡） 切断された富本銭の鋳棹と打ち落とされたバリ（飛鳥池遺跡） 富本銭の研磨台と砥石（飛鳥池遺跡） 「夲」の字例 陰陽五行と七曜文 藤原宮の復原模型 藤原京の条坊復元図 平城京・藤原京・飛鳥池遺跡出土の富本銭 藤原宮の構造 藤原宮大極殿院の地鎮具出土位置 藤原京大極殿院の地鎮具実測図 高エネルギーＸ線ＣＴ装置による地鎮具の断層画像 地鎮に用いられた富本銭（藤原宮大極殿院） 藤原宮と飛鳥池遺跡の富本銭 藤原宮の富本銭「富」と同一字体を記した木簡（飛鳥池遺跡、藤原宮跡） 古和同と新和同（藤原京跡） 隷開と不隷開の和同銀銭（藤原京、坂田寺） 和同開珎の緡銭（平城京左京四条四坊九坪） 地鎮に用いられた和同開珎（新潟・的場遺跡） 「東大寺献物帳」にみる寳と珎正倉院宝物 平城京出土の和同開珎の鋳型（平城京左京三条四坊七坪） 和同開珎の母銭（平城京左京三条二坊二坪） 和同開珎の枝銭（大阪・細工谷遺跡） 細工谷遺跡和同開珎の枝銭実測図 唐の当十銭と萬年通寳 西大寺西塔跡出土開基勝寳 宮内庁三の丸尚蔵館 古泉界に伝わる三枚の大平元寳 無文銀銭と和同銀銭（石神遺跡、藤原京跡） 賈行銀銭の拓本 唐の大型銭と賈行銀銭 様々な字体をもつ神功開寶 古代の緡銭（長岡京右京四条三坊九町） 緡銭のＸ線ＣＴスキャン画像（長岡京右京四条三坊九町） 東堀河と橋（平城京左京九条三坊十坪） 東堀河の出土銭貨（平城京左京九条三坊十坪） 運河を兼ねた西一坊々間大路西側溝（平城京右京八条一坊十一坪） 西一坊々間大路西側溝の祭祀遺物（平城京右京八条一坊十一坪） 西一坊々問大路西側溝の出土銭貨（平城京右京八条一坊十一坪） 東一坊大路西側溝（平城京左京七条一坊十六坪） 東一坊大路西側溝の祭祀遺物（平城京左京七条一坊十六坪） 平城宮東南入隅部の東一坊大路と二条大路の交差点 平城宮東大溝 初期荘園遺跡の大溝出土銭貨と祭祀遺物（石川・上荒屋遺跡） 井戸の構築に伴う銭貨（大阪・高槻城跡） 発見された胞衣の埋納遺構（平城京右京五条四坊三坪） 胞衣を納めた有蓋の薬壷形須恵器（平城京右京五条四坊三坪） 胞衣壷の中の和同開珎（平城京右京五条四坊三坪） 胞衣壺に納められた筆管と墨（平城京右京五条四坊三坪） 胞衣壺の出土状況（平城京右京八条一坊十四坪） 胞衣壺に納められた銭貨と墨（平城京右京八条一坊十四坪） 五枚の和同開珎を十字に納めた胞衣壷（平城京右京三条四坊十一坪） 東北地方の胞衣埋納遺構と銭貨（秋田城跡） 西国の胞衣埋納遺構と銭貨（岡山・津寺遺跡） 大阪府平尾山古墳群の火葬墓と銭貨（大阪平尾山古墳群雁多尾畑第49支群１号墓） 福岡県汐井掛第５号墳墓の銭貨出土位置図 木棺墓に入れられた銭貨（長岡京左京七条一坊八町） 平城京の宅地の地鎮具（平城京右京八条一坊十四） 地鎮具の出土状況（奈良坂田寺跡） 寺院の地鎮遺構（奈良坂田寺跡） 坂田寺地鎮具の出土分布図 掘立柱建物と銭貨（平城京右京三条三坊一坪） 土坑に埋納された銭貨（石川高堂遺跡） 銭貨と金属製人形を納めた土器埋納遺構（平城京左京三条五坊十坪） 平安時代の土器埋納遺構と銭貨（長岡京右京六条一坊三町） 平安時代の地鎮遺構と銭貨（長岡京右京六条三坊七町）畏岡京市教育委員会 平城京出土の奈良平安時代銭貨（平城京跡） 国堺の河（旧舟橋川）の発掘風景（京都山城国府跡）大山崎町教育委員会 一括出土した富壽神寳／富寿神宝（京都山城国府跡） 裏表紙初期貨幣の銀銅銭（奈良飛鳥藤原地域）
 【執筆者について】 松村恵司（まつむらけいじ） 1950年山梨県生まれ。明治大学大学院文学研究科修士課程修了。文化庁記念物課文化財調査官を経て、現在、独立行政法人国立文化財機構、奈良文化財研究所都城発掘調査部長。 京都大学大学院人間・環境学研究科客員教授。 主要論文に「日本初期貨幣研究史略」（『金融研究』第24巻第１号）、「富本銭の製作工程と鋳造技術」（『ものづくりの考古学』東京美術）、「古代銭貨の銭文」（『文字と古代日本４』吉川弘文館）、「出土銭貨研究の地平」（『考古学ジャーナル』526号）などがある。
永井久美男（ながいくみお） 1952年兵庫県生まれ。現兵庫埋蔵銭調在会代表。現出土銭貨研究会関西事務局に属し、発足以来12年間。会報『出土銭貨』の編集に従事。著書：『近世の出土銭Ｉ』、『日本出土銭総覧』、『新版・中世出土銭の分類図版』高志書院ほか、出土銭調査の為の手引書を執筆。報告書：『石在町出土銭と公智神社出土銭』西宮市教委、『中村岡の久保出土銭』新居浜市教委、「引土出土銭」舞鶴市教委ほか。図録：特別展『お金‐貨幣の歴史と兵庫の紙幣一』たつの市立龍野歴史文化資料館。論文：「西宮銀札の［甲子］押掛け印」『地域史研究』尼崎市立地域史料館ほか。


★状態★ 2009年の古い本です。 本文中にあった、帙（収納バインダーのようなもの）引き換え券のページが切り取り済みの状態。 読まれる分には差し支えのない部分です。 外観は通常保管によるスレ、表紙～はじめの数ページに小角折跡がある程度、目立った書込み・線引無し、 問題なくお読みいただけると思います。（見落としはご容赦ください）

＜絶版・入手困難本＞オークションにも滅多に出ない、貴重な一冊です。 古本・品にご理解のある方、この機会にぜひ宜しくお願いいたします。

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