昭和の大業物【江 (江村刀)】太刀銘 2尺2寸

景光写し豪壮本鍛錬刀 精錬地鉄に華麗乱れ刃

上手石目地塗鞘拵 『又七』在銘鶴丸透かし鍔


■コメント■
ご覧いただきありがとうございます。

【太刀銘】
『江』

江村繁太郎氏は戦時中に岡山刑務所の所長を務めた方で
国家公認の教化事業として所内に大規模な刀剣工場を設立、
全国から選り抜いた百余名の模範囚が作刀および研磨に携わり
焼入れと銘切りは必ず江村所長自らが手がけていました。

指導者として江村所長に招かれた市原長光刀匠は
所内の鍛錬所にて本格的な備前伝の作刀を手ほどきし、
「監獄長光」の異名で全国に知られることとなりました。

豊富な資材と工員の真摯な取り組みで造られた「江村刀」は
鍛錬から研磨まで徹底的に管理されたため現存作は僅少ながら
中には愛刀家を唸らせるほどの出来優れる作品も存在します。

また江村刀は安定した高品質に加えて鋭い刃味と靭性を備えた
「昭和の大業物」と名高く、武道界隈でも熱烈な支持を受けており
実用刀専門の刀剣店でもその斬れ味に太鼓判を押されています。


本作は江村刀の優れた出来口が存分に発揮された豪壮な一振、
稀少な「江」一文字の太刀銘で長船景光を写した本鍛錬刀です。

刃長2尺2寸、広い身幅と8mmに及ぶ肉厚な重ねを有し、
やや高めに反りのついた流麗な姿で手持ちのバランス良く
日本刀の本質とも云える凄まじい斬れ味を想起させます。

詰んだ小板目肌に頻りに柾が流れる強靭な鍛えは
美しく肌立って潤い地沸微塵について地景よく入り、
刃文は小丁子が連なって足・葉入る上品な乱れを焼き上げ
小沸よくついて砂流しかかり匂口締まって明るく冴えるなど、
備前古作に肩を並べる見事な出来を示した華実兼備の優品です。

本鍛錬の正真作ですので保存刀剣鑑定書も取得いただけます。


質実剛健な雰囲気を纏う上手石目地塗鞘拵に収められ、
魚々子地の半太刀縁頭や『又七』在銘の鶴丸図透かし鍔、
草花図目貫など作域優れる金具を用いた外装が本作に華を添え
鑑賞・武用のどちらにもお薦めできる魅力的な逸品です。


現存稀な歴史の証人にして昭和の大業物と名高い江村刀、
景光写し本鍛錬の豪壮傑作刀を上手拵と共にお楽しみ下さい。


ご不明な点などございましたらお気軽にご質問下さい。

■詳細■
◇◆ 寸法 ◆◇

刃長：66.6cm 元幅：3.26cm 先幅：2.20cm

元重：0.80cm 先重：0.52cm 反り：1.8cm 目釘孔：1個

刀身重量：758g

（素人採寸につき多少の誤差がある場合がございます）


◇◆
・刃切れ等の大きな欠点は見当たりません。
・刀身のヒケや鍛え、僅かな錆等はご容赦下さい。
・古物にご理解をいただき神経質な方は入札をご遠慮下さい。
・各所、画像にてご判断いただき不明な点はご質問下さい。

■